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Southerly

20代OLの試行錯誤ブログのはずが映画紹介ブログになりつつあるなう

夜明け告げるルーのうた

アニメ映画でトップ3に入る、といっても良いかも、というか入ります。
映画を見て、すぐにDVDを予約するくらい。本当におすすめ。

夜明け告げるルーのうた Y!評価:3.9


両親が離婚して東京から寂れた港町・日無町に越してきた中学生の少年カイは、父親と祖父の三人で暮らしている。両親に対する複雑な思いを胸に日々を過ごす彼にとって、自ら作曲した音楽をインターネットにアップロードすることが唯一の楽しみだった。そんな中、人魚の少女ルーと出会い交流を深めていくうちに、カイは少しずつ周囲に心を開いていくが……。

ポップで独特。



まず、映像。
すごくポップで独特色使いのセンスの良さ
君の名は。』では映像美との評価が高いですが、こちらは全く違います。
良くも悪くもザ・アニメといった感じで、現実に寄せるような背景の描き方はしてません。
だからこそ、すぐに非現実の世界という切り替えができます。
要所要所に入る主線のない、なんだか子供の頃クレヨンで描いた絵のようなベタ塗りの映像は、メインストーリーとの棲み分けがはっきりしていて分かり易い。
あと、踊るシーンが結構あるんですけど、コミカルですごく良い。こちらの心も踊り出します。

涙誘うテーマソングと挿入歌。



次に、音楽。
テーマソングの歌うたいのバラッド、これずるいですよね。泣くしか…。
ところどころ、歌のないBGMで流れるのですが、こんな海が似合う曲だったんだって初めて気づきました。
そして、オリジナルの挿入歌はどちらはすごくかわいい。特に最初の「Dance Girl 踊り子」は絵柄と同じくポップで楽しくなる、キュートな曲です。
一番感激だったのがYUIの「fight」です。
まさに世代だったので、劇場で今あまり表立った活動をしていないYUIの声を聞けるとは、思いませんでした。

純粋な気持ちが美しいと思える物語。



で、内容。ちょっとネタバレになってしまうので、↑の感想ですでに気になる!となった方はDVD買いましょうね。
単純明快で、心が暖まる物語となってます。
日無し町という架空の町は漁業と傘で賑わっています。この傘というあまりフォーカスされない物が結構なキーだったり。
人魚ってリトルマーメードのような胸に貝殻がついて…という華やかなイメージを持ちますが、これはまったく違います。ルー…ルーのパパ、ワンギョ…みんないちいち可愛すぎやろ!!
もうね、何より伏線回収がうまいんですよ。
何気ない言葉や出来事が最後につながっていたり。
それでいて、たった2時間で無理やりではなくさらっと回収していくのがすごいなぁと。
なによりも涙が止まらなかったのは、人魚が見返りを求めないことなんです。
人魚だー集客だーといって利用した人間を、人魚は救おうと頑張るんです。
それって、人間社会じゃないじゃないですか。
純粋に、助けなきゃ!っていう気持ちで人魚は突き動かされてて、そんなの借りとか恨みとかそんなのないんです。
その真っ直ぐな気持ちに、涙が止まらなくて。
当人には伝わらない思いやり、多分たくさんあるんだなぁと思います。
あいつ嫌いだあいつ死ねって思ってる人が、意外と温人だったりするんです、きっと。
なかなか自分で気づくには難しいことですが、この映画を見て、とりあえずみんなに優しくしようって温かい気持ちになります。
最後のゆうほのセリフが、この映画を体現してるなと。
なので、ここまで読んじゃった人はあと半年後くらいに見てみましょう。本当に、理屈抜きで良い映画。大人も子供も感動できる映画だと思います。
ぜひ、ご鑑賞あれ。