②岸優太という沼、そして禁断の場所へ
でも、今の私が求めているのはビジュアルじゃなかった。
真夜中のプリンスを見漁っていた私は岸優太に堕ちた。なんなのあのおばかさ加減。かつ、〜っスねぇ〜!なザ後輩感。
私が求めているのは馬鹿で全てを肯定してくれそうな後輩像そのものだったのかもしれない。
生まれ年に驚愕だったけど。まじか、新卒レベルかまじか…。
赤西仁のカリスマさエロさとは全く違う。
声は綺麗で透明感あるけど声量も技術もまだまだ足りない。
だからこそ、伸びしろを感じる。
頑張ってほしい、見守ってあげたい。
バブみという言葉はここで知った。女性ホルモンではなく、母性がぎゅんぎゅん反応してた。
芸能人はあくまで商品。
テレビ画面やステージ上にしか存在しないキャラクターなのだ。
これは赤西仁担だった時に確立したアイドルオタク論である。
赤西仁の素行の悪さは一般人にも知れ渡っており、そう考えないとやってられなかった。
だけど、岸優太は違う。
彼の不器用さが、一般人と芸能人の間にあるヴェールを消した。
本当に純粋でいい子。自分を作る余裕がないくらい小顔(頭軽いと同義)。
何を見ても彼の軸はぶれなくて、一生懸命で真面目……悪いところがほんとに見つからない。
彼の存在は私のiPhoneのストレージを駆逐した。
容量整理のためにプライベートの写真やライントーク履歴を消しまくった。
通勤は幸せな時間で、満員電車なんて苦じゃなかった。
飲み会中、禁断症状が出てトイレで動画を見るレベルにまでになった。
ドラマももちろん見た。
余裕でBlu-rayBox買った。
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『お兄ちゃん、ガチャ』のメイキングで「〇〇クン!」って先輩に尻尾振ってる後輩加減とちびっこに優しいお兄ちゃん加減に死んだ。
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近キョリ恋愛の演技はすごい。
はまり役だとはいえ、ダントツで輝いてた。
メイキングの無邪気さで死んだ。
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もちろん大好き風磨くんの仮面ティーチャーの可愛さにも死んだ。声どうした。
オタクは幾つ命があっても足りない。
でも命もらう(胸キュン的な意味で)ことばっかで…何度も蘇ってしまうゾンビ。
それでも、アイドルにハマってはいけないと、言い聞かせてた。
僅かながらお金は落としてるものの、絶対にこれ以上はいけないと、かつて赤西仁に青春を捧げた私が叫んでいた。
ファンクラブには入ってはいけない。
そんな最中、キンプリアイランドのチケット販売が開始された。
皮肉なことに、私にはニコスカードがあった。
直筆でぴあにお手紙を書いた。
そしたら、返事にジャニアイのチケットが同封されていた。
私は改めて実感することになる。
彼は確かに、現実にも存在していたのだと。